名寄帳(なよせちょう)は、相続手続きや不動産登記などで重要な役割を果たす書類の一つです。これは、被相続人(故人)の名義で所有している不動産に関する情報をまとめた帳簿のことを指します。特に、不動産の相続手続きを進める際に、名寄帳を用いて相続財産の特定や確認が行われます。
名寄帳の内容
名寄帳には、以下のような情報が含まれます。
- 不動産の情報
- 被相続人名義の土地や建物などの不動産の一覧が記載されています。これにより、相続人はどの不動産が相続対象であるかを把握することができます。
- 不動産の所在地や地目、面積など
- 各不動産の所在地や地目(例:宅地、農地など)、面積などの詳細情報が記載されています。
- 不動産の評価額(場合によって)
- 相続税の申告を行う際には、不動産の評価額も考慮に入れる必要があります。名寄帳には、場合によっては不動産の評価額が記載されることもありますが、通常は別途評価証明書などを用いて評価額が算定されます。
- 登記情報
- その不動産に関する登記情報(所有権、抵当権など)も記載されている場合があります。
名寄帳の取得方法
名寄帳は、通常、市区町村役場で取得します。手続きの流れは次の通りです。
- 所轄の市区町村役場に申請
- 名寄帳は、相続手続きを進める上で必要な書類となります。市区町村の役場で取得できますが、役場によってはオンラインで申請できる場合もあります。
- 必要な情報を提供
- 申請の際には、被相続人の氏名や住所、死亡日などの情報が必要です。また、身分証明書などが求められることがありますので、事前に確認しておきましょう。
- 手数料の支払い
- 名寄帳の取得には、役場で定められた手数料がかかることがあります。手数料は市区町村によって異なります。
行政書士の役割
行政書士は、相続手続きにおいて名寄帳の取得を代行することができます。特に、相続人が多い場合や、相続財産が複雑な場合、行政書士は以下のようなサポートを行います。
- 名寄帳の取得代行
- 相続人に代わって、名寄帳を取得する手続きをサポートします。これにより、相続手続きをスムーズに進めることができます。
- 相続財産の把握と整理
- 名寄帳を元に、相続財産に含まれる不動産の情報を整理し、相続人がどの不動産を相続するのかを明確にします。
- 相続登記や遺産分割協議書の作成支援
- 名寄帳に記載された不動産情報を基に、相続登記(司法書士に依頼)や遺産分割協議書の作成をサポートします。
まとめ
名寄帳は、相続における不動産の特定や整理に役立つ重要な書類です。行政書士は、名寄帳の取得を代行し、相続手続きを円滑に進めるための支援を行います。不動産の相続に関わる手続きが複雑な場合でも、専門家に依頼することで確実に処理が進みます。