遺言書においてゴルフ会員権を相続させる際には、いくつかの重要なポイントが存在します。ゴルフ会員権は特定のゴルフクラブに対する会員権利を意味しており、その名義変更や権利の扱いに関してはクラブごとに規定が異なるため、細かい注意が必要です。遺言書でゴルフ会員権を長男に相続させる場合、相続人がその会員権を適切に引き継げるように、会員権証券の内容や名義変更手続き、さらには売却の可否などについて明確に記載しておくことが非常に重要です。以下、ゴルフ会員権を相続させる際の実例とポイントを詳細に解説します。
遺言書作成における重要なポイント
1. ゴルフ会員権の特定
ゴルフ会員権は特定のゴルフクラブに関連する権利です。従って、遺言書には、ゴルフクラブの名称と、会員権証券を発行している会社名を正確に記載する必要があります。これにより、相続人がどのゴルフクラブの会員権を引き継ぐのかが明確になります。
例文：
「私の所有する〇〇ゴルフクラブ（会員権証券番号：12345678、発行会社：〇〇株式会社）のゴルフ会員権を、長男に相続させる。」
このように、ゴルフクラブの名称、証券番号、発行会社名などの詳細を記載することが重要です。誤った情報や記載漏れがあると、後々問題が発生する可能性があります。
2. 会員権証券の内容を確認してから記載
ゴルフ会員権は、証券によって保有権が証明されることが多いため、遺言を作成する前に、会員権証券の内容を確認することが必要です。証券に記載された情報、例えば会員権の種類、証券番号、発行者（ゴルフクラブや会社名）などを正確に把握し、遺言書に記載します。
会員権証券は一つの証券で複数の権利を所有する場合や、複数の証券をセットにして保有するケースもあります。複数の証券を持っている場合は、それらをひとまとめにして相続させることが可能です。遺言書に「一式」や「一通り」と記載することで、すべての証券を対象にすることができます。
例文（複数の証券を相続させる場合）：
「私が所有する〇〇ゴルフクラブの会員権証券一式（証券番号：12345678、23456789）を長男に相続させる。」
3. 名義変更の手続き
ゴルフ会員権を相続する場合、相続人はその会員権を正式に名義変更し、会員として登録する必要があります。名義変更の手続きはゴルフクラブごとに異なるため、遺言書においてその手続きについても言及しておくと良いでしょう。遺言書に名義変更に関する指示を記載しておけば、相続人がスムーズに手続きを行えるようになります。
例文：
「長男は、私が所有する〇〇ゴルフクラブの会員権証券を相続し、その後、〇〇ゴルフクラブの規定に従って名義変更手続きを行い、会員として登録されるものとする。」
このように名義変更の手続きについて言及することで、相続人が具体的にどのように手続きを進めるべきかが明確になります。
4. 会員権の売却について
ゴルフ会員権は、一般的に相続後に売却することも可能ですが、売却に関してもゴルフクラブごとに規定が異なります。売却の際にはクラブの規定に従って手続きを進める必要があります。遺言書に売却に関する指示を記載することもできます。
例文（売却を許可する場合）：
「長男は、私が所有する〇〇ゴルフクラブの会員権証券を相続し、その後、〇〇ゴルフクラブの規定に従って名義変更手続きを行い、希望する場合は会員権を第三者に売却することができる。」
ただし、売却の可否については事前にゴルフクラブに確認し、そのクラブの規定を理解した上で遺言書を作成することが重要です。売却可能な場合とそうでない場合があるため、確認しておくことが必須です。
5. 複数枚の会員権証券をセットで相続させる
場合によっては、ゴルフ会員権の証券が複数枚でセットになっていることがあります。その場合も、遺言書にその旨を記載し、セットとして相続させることを明確に示す必要があります。
例文（セットで相続させる場合）：
「私が所有する〇〇ゴルフクラブの会員権証券セット（証券番号：12345678、23456789、34567890）を長男に相続させる。」
このように、セットであることを明記することで、相続人が誤って複数の証券を別々に取り扱うことを防ぐことができます。
行政書士の役割
ゴルフ会員権の相続については、その取り扱いが複雑なことがあります。行政書士は、遺言書作成時にゴルフ会員権の取り決めが法的に適切であり、遺言者の意図が正確に反映されるようサポートします。具体的には、会員権証券に関する詳細な情報の記載や、名義変更手続き、売却に関するアドバイスを行います。また、ゴルフクラブごとの規定に基づいて、相続後に発生する手続きを適切に進めるための指示を遺言書に盛り込む手助けを行います。
結論
ゴルフ会員権を相続させる際の遺言書作成においては、会員権証券の内容を正確に記載し、ゴルフクラブの名称や発行会社名を明記することが重要です。また、名義変更の手続きや売却に関する指示を遺言書に記載しておくことで、相続人がスムーズに手続きを進めることができます。ゴルフ会員権が複数枚でセットになっている場合は、その旨も記載して、誤解が生じないようにしましょう。行政書士のサポートを受けることで、法的に有効で円滑な遺言書を作成し、相続手続きを確実に進めることができます。
