戸籍の保存期間は何年?行政書士と考える家系図作成のタイミング

戸籍の保存期間と家系図作成への影響

家系図を作成する際、重要な情報源となるのが「戸籍」です。しかし、戸籍の保存期間には制限があり、保存期間を過ぎると一部の戸籍は廃棄されてしまいます。ここでは、戸籍の保存期間について理解し、過去に遡ることができる範囲や、過去の戸籍を調べるために知っておくべき情報を解説します。


戸籍保存期間を知って家系図を守ろう

戸籍に関する法律は、戸籍法に基づいて定められており、戸籍の保存期間もこの法律に則って決まっています。最近の改正により、戸籍の保存期間が150年に延長されましたが、それ以前はどうだったのでしょうか?

戸籍の保存期間の延長

かつて、戸籍の保存期間は80年でした。これは、民法改正後、昭和23年(1948年)に制定された規定に基づいており、除籍に関する記録も80年で廃棄されていました。しかし、2000年代初頭に改正が行われ、現在では150年に延長されています。これにより、現在保管されている戸籍は、明治時代のものを含むことができるようになりました。

それ以前の戸籍はどうなる?

保存期間80年だった時代の除籍や改製原戸籍は、すでに廃棄されている場合が多いです。特に、昭和4年以前に除籍された戸籍については、かなりの部分が廃棄されており、江戸時代の先祖を調査するには非常に限られた資料しか残っていない可能性があります。


戸籍の種類はこんなにある!その変遷とは

家系図を作成するためには、どの時代の戸籍を調べるべきかという点も重要です。日本の戸籍制度は、時代ごとに変遷を遂げており、現在残っている戸籍には、時代に応じた「式戸籍」があります。以下では、各時代の戸籍の特徴とその保存状況について解説します。

明治5年式戸籍

明治5年に施行された戸籍制度では、戸籍簿が「本籍」を基準に、氏名や親族関係を記録する形式となりました。この時期は、日本の戸籍制度が整備された最初の段階であり、一番古い戸籍といえるでしょう。しかし、保存期間が短く、現在では多くの戸籍が廃棄されている可能性が高いです。

明治19年式戸籍

明治19年には戸籍法が改正され、より詳細な項目(出生、死亡、婚姻、離婚など)が記載されるようになりました。この時期の戸籍は、最も残存する可能性が高い時期と言えます。現在でも明治19年式戸籍が残っている場合は多く、その情報を基に家系図を作成することが可能です。

明治31年式戸籍

明治31年に施行された戸籍制度では、戸籍簿が個別に管理されるようになり、家族単位で記録がつけられました。この時期は、家系図作成においても、比較的容易に利用できる資料となっています。

大正4年式戸籍

大正4年の改正では、戸籍の項目が一部整理され、その後の改正においても、引き続きその形式が用いられました。この時期以降の戸籍は、比較的保存期間が長く、今でも調べることができる資料として活用されています。

昭和23年式戸籍

昭和23年式戸籍は、戦後の戸籍制度改革により作成されたもので、現在の現行戸籍制度の基礎を形成しました。この戸籍には、出生・死亡・婚姻・離婚などの重要な情報が記載されており、現行戸籍とほぼ同じ形式です。


除籍の意味とその理由とは?家系図作成に影響

戸籍の「除籍」についても知っておく必要があります。除籍は、戸籍の記録が終了したことを示すもので、その人物が亡くなったり、他の戸籍に移動した場合に適用されます。除籍に関して理解を深めることは、家系図を作成する上で非常に重要です。

除籍になるケース

除籍となる主なケースは次の通りです。

  • 死亡した場合:人が亡くなると、その戸籍から除籍されます。
  • 転籍した場合:他の戸籍に転籍した場合も、その戸籍から除籍されることがあります。
  • 重複登録の訂正:誤って重複して登録されていた場合、訂正されることがあります。

除籍をたどれば江戸時代の先祖に出会える?

除籍簿には、明治時代以前の情報も記録されています。特に、明治5年から昭和23年までの除籍簿に関しては、現在でも確認できるものが残っている場合があります。もし除籍簿をたどることができれば、江戸時代まで遡ることができ、家系図をより深く掘り下げることが可能です。


行政書士に頼む!過去の戸籍情報収集のポイント

家系図作成を進める中で、過去の戸籍に関する情報を集めるには、廃棄されていないかを確認することが大切です。廃棄された戸籍については、法的な制限や保存期間により、どうしても調べることができない場合があります。そのため、できるだけ早期に調査を始めることが重要です。

また、家系図作成のために調査を行う際には、行政書士などの専門家に依頼することを検討するのも良いでしょう。専門家は、調査方法や法的手続きについて詳しく、戸籍の内容を効率的に確認することができます。


家系図作成の鍵、戸籍保存期間と除籍調査を理解する

戸籍の保存期間や除籍の意味、そしてその調査方法について理解することは、家系図作成において重要です。保存期間が延長されて150年となった今でも、過去の戸籍が廃棄されている場合があることを考慮し、早期に調査を開始することをお勧めします。また、除籍簿を利用すれば、江戸時代まで遡ることができるため、家系図作成には非常に価値のある資料となります。家系図作成をよりスムーズに進めるためには、戸籍の制度や保存状態についての理解を深め、必要に応じて行政書士などの専門家にサポートを求めることが効果的です。